お や じ の ア ル バ ム

文丸と利丸
おやじメモより
横須賀市田浦港にあるキャッチャーボート 文丸・利丸
はじめにこの写真を見たときは、左が文丸、右が利丸かと思っていましたが、どうやら綺麗に分かれているのではなく、混ざって碇泊しているようです。
写真の停泊順とは関係ありませんが、こちらの大洋漁業の資料によれば、
第十六文丸 Fumi Maru No.16、 総トン数 599t、 進水年 昭和29年、建造所 林兼造船
第六利丸 Toshi Maru No.6、 総トン数 589t、 進水年 昭和24年、建造所 A & J Inglis
第十五利丸 Toshi Maru No.15 、 総トン数 647t、 進水年 昭和32年、 建造所 林兼造船
第十七利丸 Toshi Maru No.17 、 総トン数 757t、 進水年 不詳、 建造所 林兼造船
第六文丸 Fumi Maru No.6 304 1946(昭21) 川崎泉州
第二文丸 Fumi Maru No.2 304 〃 〃
第三文丸 Fumi Maru No.3 312 〃 川崎重工
第三關丸 Seki Maru No.3 307 1947(昭22) 不詳
第七關丸 Seki Maru No.7 306 〃 川崎重工
全部揃っているのかと思ったら、意外に船の大きさが違うんですね。
寄せ集めだったのでしょうか?
資料が古いのか、昭和33年進水の第十六利丸(大型)が載っていません。
この他に日新丸船団は関丸という捕鯨船を加え、この時代は15隻の捕鯨船と供に戦っていたようです。


この当時の太洋漁業の捕鯨船は、「関丸」「利丸」「文丸」とあり、関丸には「ギリシャ数字」が使われ、利丸には「アラビア数字+T」が使われ、文丸には「アラビア数字」が使われていたようです。
左の文丸の左端は「3」と確認できるのでこの捕鯨船は第三文丸ですね。
この第三文丸は ◎ 大日本帝國海軍特設艦船の ◎ 第三文丸の船歴によると、
昭和15.09.03:進水、命名:第三文丸
昭和15.11.30:竣工、船主:大洋捕鯨株式會社
昭和15.--.--:(第五次南氷洋捕鯨)
昭和16.08.15:入籍:内令第938号:特設駆潜艇、横須賀鎮守府所管
↓ 各地で任務
昭和19.01.30:沈没、
喪失場所:N11.30-E162.20 ブラウン環礁
喪失原因:米第52.8任務部隊艦載機による空爆。
とあり、戦時中の第三文丸は沈没しているので、戦後に造船された「二代目第三文丸」という事になるでしょう。また、第六文丸も昭和20年7月10日新島東方で雷撃されて沈没しているので、同じく「二代目第六文丸」ということでしょう。かつて富岡(後のタカラトミー)からプラモデルが出ていました。
左:第三文丸
右:第六文丸 第五文丸


おやじメモには田浦港とありますが、田浦港町前の長浦港ですね。
写真のど真ん中に写っている建物は、横須賀海軍工廠の旧水雷工場です。
現在(2016)は、(株)日立エンジニアリング・アンド・サービス 田浦工場となっています。

44°
← 捕鯨船
横須賀市の長浦港に結集している、ズラリと並んだキャッチャーボートを大発から撮ったようです。何といってもキャッチャーは捕鯨の花形ですよね。
それならばという訳で、航空写真を探してみたところ、昭和38年6月22日撮影の写真を発見しました。
よく見ると、キャッチャーボート(捕鯨船)が20隻写っています。
昭和38年秋は第十八次南氷洋捕鯨、大洋漁業では「二代目日新丸」「二代目第二日新丸」「第三日新丸」の3船団で挑んでいました。
平成25年に解体された、
ガントリークレーンも写っ
ています。


捕鯨船
捕鯨船
捕鯨船
ガントリークレーン
出典:国土地理院ウエブサイト(http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do?specificationId=430968)
撮影年月日:昭和38年(1963年)6月23日
撮影地域:横須賀
撮影計画機関:国土地理院
文字の書き込みは当HP「おやじのアルバム」が行っています。

79105/JHWY 捕鯨船 647G/T 起工 1957.8.__(昭32) 進水 1957.10.__(昭32) 竣工 1957.11.28(昭32)
Lpp 55.00 B 9.40 D 5.00 m 主機 D 林兼2cycle 3,000PS 1基 16/17kt
林兼造船株式会社(長崎)建造 Sno.911 大洋漁業株式会社(東京)
第十五利丸 Toshi Maru No.15
1964(昭39)昭和39年度第13次北洋捕鯨(錦城丸船団)に参加
第十五利丸 Toshi Maru No.15

捕鯨船 757G/T 竣工 1958.10.8(昭33)
主機 D 3,500PS 17.5/18.2kt
林兼造船株式会社(長崎)建造 大洋漁業株式会社
第十七利丸 Toshi Maru No.17
第十七利丸 Toshi Maru No.17
参考資料:大洋漁業の所有船舶 - 戦後占領期-海運再建期-海運集約期
: ◎ 大日本帝國海軍特設艦船の ◎ 第三文丸の船歴
出港準備
青森駅にて 精油課の友
アルバムの主